控訴審で示談を成立させ逆転の執行猶予判決を獲得した事案
事案の概要
依頼者は、交際相手のアクセサリーを盗んだとして、窃盗の罪で起訴されました。被害者の処罰感情は峻烈であり、他の弁護人が担当した第一審では、示談の申入れが拒絶されました。そこで第一審では、被害弁償として供託が行われましたが、取戻請求権が放棄されていなかったことから、裁判所はこれを量刑上重視せず、依頼者に対して実刑判決が言い渡されました。当事務所は、控訴審から本件を受任しました。
本件で生じた問題と当事務所の対応
1 第一審で行われた供託が量刑上評価されなかったこと
供託は、取戻請求権が留保されたままであれば、後日供託金を取り戻すことが可能であるため、被害弁償として確定的なものとは評価されにくいという問題があります。そこで当事務所は、控訴審において、取戻請求権を放棄した上で改めて供託を行いました。これにより、依頼者が被害弁償の意思を確定的に示していることを、裁判所に対して明確に示しました。
2 第一審で一度拒絶された示談を成立させる必要があったこと
被害者の処罰感情に照らせば、改めて示談を申し入れること自体が容易ではありませんでした。当事務所は、被害者の意向を尊重しながら、供託に加えて追加の弁償を行う用意があることをお伝えし、粘り強く協議の打診を続けました。その結果、控訴審の公判期日の直前に、示談を成立させることができました。
結果
控訴審裁判所は、控訴審における被害弁償の状況及び示談の成立を評価し、原判決を破棄した上で、依頼者に対して執行猶予付きの判決を言い渡しました。


