
一審の判決を受け、このページをご覧になっている方の多くは、「この判決には納得できない」「これからどうすればよいのか」という思いを抱えておられることと思います。
まずお伝えしたいのは、控訴には期限があるということです。控訴の申立ては、判決の宣告日の翌日から14日以内にしなければなりません。この期限を過ぎると、判決は確定します。
そして、控訴審は一審のやり直しではありません。一審判決のどこに誤りがあるのかを指摘し、高等裁判所に再検討を求める手続です。何を、どのように指摘するかで結果は変わります。だからこそ、期限を意識しながら、控訴審の経験を持つ弁護士にできるだけ早くご相談いただきたいのです。私たちは、記録を拝見した上で、控訴審で何ができるのかを率直にお伝えします。
当事務所は、2009年の創立以来、刑事事件を中心に取り扱い、控訴審にも数多く取り組んできました。一審で実刑判決を受けた事件で原判決を破棄させ、執行猶予判決を獲得した事例。刑を減軽させた事例。そして、公判で無罪判決を獲得した事例。
控訴審は、一審に比べて結果を動かすことが難しい手続です。それでも、記録を読み込み、やるべきことを尽くせば、判決が変わることがあります。解決実績のページでは、そうした事例の中から代表的なものをご紹介しています。
控訴審の弁護は、一審判決の判決書を読み込むことから始まります。裁判所がどの証拠から何を認定し、どのような理由で刑を決めたのか。その構造を丁寧にたどっていくと、経験則や論理則に照らして無理のある認定、考慮されるべき事情が考慮されていない量刑判断、手続や法令適用の誤りが見えてくることがあります。それを事実誤認・量刑不当・法令違反といった控訴理由の形に組み立て、控訴趣意書として高等裁判所に示すのが私たちの仕事です。
当事務所は、検事を務めた弁護士によって創立され、検察側がどのような論理で事件を組み立て、裁判所がそれをどう受け止めるのかを知ることを大切にしてきました。その素地は、控訴審において「どこを突けば判決が動くのか」を見極める力として、現在の弁護士に受け継がれています。
控訴審の弁護は、時間との闘いでもあります。ご相談を受けたら、私たちはまず控訴期限を確認し、必要であれば直ちに控訴を申し立てます。あわせて、一審の記録の入手、身体拘束を受けている方については再保釈の請求など、初動で必要なことを速やかに進めます。
そして、控訴趣意書の提出期限までに何をするのか、控訴審で何が期待でき、何が難しいのかを、ご本人とご家族に分かりやすくお伝えすることを大切にしています。判決を受けた直後は、誰もが不安の中にいます。いま自分の事件がどこにあり、次に何が起こるのかを知ることは、それ自体が大きな支えになると私たちは考えています。
控訴審でできることは、事案によって異なります。ここでは、私たちが控訴審で取り組んでいる主な弁護活動をご紹介します。ご自身の事件でどれが可能かは、記録を拝見した上でお伝えします。
一審で実刑判決を受けた場合でも、控訴審で執行猶予判決や刑の減軽を目指せることがあります。控訴審では、一審判決の後に生じた事情も含めて、量刑に関わる事実の取調べを求めることができます。
例えば、一審では間に合わなかった被害者との示談を、控訴審の段階で成立させる。ご家族の監督体制、治療や通院、就労先の確保など、再び罪を犯さないための環境を具体的に整え、書面と証人によって立証する。ご本人の反省がどのように深まったのかを、被告人質問で裁判所に直接伝える。こうした活動を積み重ね、「一審判決の量刑は重すぎる」と高等裁判所に判断してもらうことを目指します。
一審で十分にできなかったことがあるとすれば、それは控訴審で取り組むべき課題です。私たちは、過去を責めるのではなく、これからできることに集中します。
一審で無罪を主張して有罪となった場合、控訴審は「事後審」と呼ばれる手続で、原則として一審の記録に基づいて一審判決の当否が審査されます。新たな証拠の提出には制限があり、一審で提出できなかったことに「やむを得ない事由」があると認められなければ、証拠調べの請求は認められないのが原則です。
そのため、控訴審で事実認定を争う弁護は、一審判決の事実認定が経験則・論理則に照らして不合理であることを、記録に基づいて緻密に論証することが中心になります。判決書の一文一文を検討し、証拠との整合性を洗い直し、裁判所が見落としている可能性を控訴趣意書で具体的に示します。新たな証拠が見つかった場合には、その提出の道を探るとともに、裁判所の職権による証拠調べを促すこともあります。
一審で罪を認めず、黙秘や否認を貫いたことは、被告人に保障された正当な権利の行使です。控訴審でもその主張を貫くのであれば、控訴審の経験と、記録を読み抜く力を備えた弁護人が必要です。私たちは、そのご依頼に真正面から応えます。
一審で実刑判決を受けると、それまで保釈されていた方も、原則として再び身体拘束を受けることになります。控訴審でも改めて保釈を請求することができ、私たちは受任後、速やかに再保釈の請求に取り組みます。実刑判決後の保釈は一審の段階よりも認められにくいのが実情ですが、控訴審での主張の内容、ご家族の監督、住居の確保などを丁寧に示すことで、認められる事案もあります。身体拘束が続くかどうかは、控訴審の準備にも、ご本人とご家族の生活にも大きく影響します。早い段階でご相談ください。
一審で無罪や執行猶予の判決を得た後に、検察官が控訴することがあります。この場合、一審判決を維持するための答弁書を提出し、控訴審で検察官の主張に反論することになります。一審判決を守る弁護もまた、控訴審の重要な仕事です。
また、控訴審の判決に不服がある場合には、最高裁判所への上告という手続があります。もっとも、上告理由は憲法違反や判例違反などに限られており、控訴審とは異なる専門性が求められます。上告の見通しについても、私たちは率直にご説明します。
控訴審は、一審とは大きく異なる手続です。一審のやり直しではなく、一審判決の当否を審査する事後審であること。控訴できる理由が法律で限定されていること。新しい証拠の提出に制限があること。被告人だけが控訴した場合には、一審より重い刑にはならないこと(不利益変更の禁止)。こうした基本を知らないままでは、控訴すべきかどうかの判断を誤ったり、逆に必要以上に悲観してしまったりしがちです。
だからこそ、控訴審に精通した弁護士から、適時に的確な説明を受けることが大切です。控訴・上告コラムでは、控訴審の仕組みや控訴理由、手続の流れを解説しています。
控訴審の弁護人を一審から引き続き依頼するか、新たに選任するかは、ご本人とご家族が決めることです。一審の弁護人には事件を深く理解しているという利点があります。一方で、控訴審では、一審判決を第三者の目で批判的に検討する視点が求められます。その意味で、控訴審の経験がある弁護士の意見を一度聞いてみること - セカンドオピニオンとしてのご相談 - には、それだけでも意味があると私たちは考えています。
当事務所の弁護士は、控訴審で原判決を覆し逆転執行猶予判決を獲得した実績や、公判で無罪判決を獲得した実績を有し、裁判員裁判の対象となる重大事件から否認事件まで幅広く担当してきました。記録を丁寧に読み、依頼者に寄り添いながら、最後まで諦めずに闘うことを信条としています。
迅速かつ的確な弁護活動により、当事務所は控訴審を含む数多くの事件で、依頼者とそのご家族から感謝の言葉をいただいてきました。解決実績のページでは、その中から控訴審の代表的な事例をご紹介しています。かつて今のあなたと同じ立場にあった方々のために、私たちが獲得してきた結果の一端をご覧ください。
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